卓越した剣技で鬼を殲滅する最高位の剣士「柱」。アニメ鬼滅の刃で重要な役割を果たす彼ら彼女らにスポットを当てた『アニメ「鬼滅の刃」 柱展 -そして無限城へ-』がCREATIVE MUSEUM TOKYOのオープニングを飾る展覧会となっています。劇場版「無限城編」の公開を控えるタイミングで、展示では9人の柱が現実に生きる人間のようにリアルに感じさせるような仕掛けをたくさん盛り込んでいます。
暗闇に行灯。イントロダクションとなる最初の部屋は鬼殺隊を統べる「お館様」の屋敷につどった柱の紹介から始まります。2分あまりの迫力ある映像は、物語の世界に一気に引き込みます。
次の章からは、個々のキャラクターをリアルな存在として肉付けする展示になります。
9人の戦闘シーンの映像とともに、各人が修めた呼吸法の解説や誕生日、出身地(くしくも風柱・不死川実弥は、会場となるCREATIVE MUSEUM TOKYOがある京橋の生まれでした)など歩みの年表がモノリス状に配置されます。
ここで、入場時に配られる名刺状の「柱札」のQRコードを読みると、柱が他の柱を紹介する音声コンテンツも楽しめます。

続いての展示は、アニメの設定資料から再現した9人の実寸のグラフィックパネルと、日輪刀の再現。刀は実際に触れられます。実際に握ると想像以上に大きい/小さい、あるいは武骨/繊細など、様々な感想を抱けると思います。ここでも、柱札のQRコードから、作中の柱の言葉を聴ける音声コンテンツが聴けます。名言(迷言?)の数々を実際のCVで味わってみてください。


次の部屋では、壁や床、天井1面に1千枚以上のアニメ原画を拡大展示します。漫画という線の芸術が、膨大な量の原画によってアニメという映像芸術に生まれ変わる瞬間は圧巻。新しい鑑賞体験を目指すCREATIVE MUSEUM TOKYOの真骨頂とも言えそうです。


さて、展覧会のサブタイトルは「そして無限城へ」です。展示後半では、いよいよ柱とともに実際に鬼の本拠地の無限城へ「落ちて」いきます。
テレビアニメの最新シリーズ「柱稽古編」の最終話の産屋敷邸から無限城へ落下するシーンを、プロジェクション、立体音響、ハプティクス(床振動)、風を組み合わせたソニーグループによる最新の装置で再現します。この体感は、ほかの展覧会ではなかなか味わうことができません。
絶望的な落下を味わったあとは、どうなるのか―。そのあとの展示は、視覚、触覚、聴覚と五感を総動員してぜひ会場で味わってください。奈落へ落ちた柱を今後待ち受ける過酷な運命に思いを馳せながら。

